« May 2013 | Main | January 2014 »

July 23, 2013

参院選が終わって考えたこと

よし、久々に書こう。

昨日、2013年の参議院選挙が終わりました。
結果、自民党が大幅躍進。

昨年の衆院選での政権交代以来続いてたねじれ国会というものが
ここで解消することになったと。

さて、これで何が変わるのか。

といったところで、実質、何も変わらなかったりする。
衆議院優先という仕組み上、参院で野党が反対したところで
結局衆議院で再可決できるわけですから。

ただ、その手間が減る分、政策の実行スピードは上がるでしょう。
そこが大きいといえば大きいか。

今回の選挙の争点はいくつかありました。

まず、TPP。

端的にいえば、輸出、輸入にかかっていた関税がオール0になる協定。
あと、法律の適用対象や知財の扱いも外国ルールに従う場合がある
という話もあるんだけど、これは騒がれてるほど大きな問題じゃないらしい。

やっぱり問題は農業で、今はめちゃくちゃ高い関税に守られて
国内産の農産物はちょい高いかな程度なのだけど、
これが、関税0だと、数倍の値段の差がついてくるということなので
農家にとっては死活問題ってことなんでしょう。

で、自民の方向としては、TPP参加、推進の方向。

日本の農家も頑張れば何とかなるとか無責任なこといってるけど
その頑張り方を示せてないので、当事者たちは戦々恐々。

私の予想では、日本の農家は今の半分かそれ以下になるでしょう。
小規模や個人経営は多分もう成立しない。
組合や企業が農家を社員として雇って束ねるような形で大規模化して
やっと何とかなる程度ではないか。

大規模化すると手作業も減るでしょうから、
品質はある程度妥協するしかなくなってくるのかもしれない。

そんなリスクを負ってまでなぜTPPに参加するのかといえば
輸出メインの製造業には、もうチートレベルで有利な協定だから。
そして日本は製造業についていえば輸出国家です。
むしろ参加しない方が不自然って話になる。

単純にプラスマイナスで考えて、プラス幅がデカイ方を見たわけね。
実際、米国の製造業方面からは日本のTPP参加に反対されてる。
関税ありの現状でも日本車が優勢だったりするわけだから、
それがなくなった日にゃフォードもGMも真っ青ですよと。

こういうところで弱者切捨てとか格差拡大とか批判が出るんだけど
日本だけでなく、どの国も利害の駆け引きをしてるわけね。


次、消費税。

自民はこれを上げるといってる。消費税は今5%ですが、
これを2014年4月に8%、15年10月に10%まで引き上げていく方針。

まぁ、増税を喜ぶ市民はいないでしょう。
それでも自民が選挙で勝ったのは、他党もどうせ一緒だろ?的な
諦めがあったのが一番大きいとは思うけど、
それも仕方がない面というのもある程度認めなきゃならんでしょうと。

国の借金は今や900兆円を超えてきてるわけで、
これは今もどんどん増えている。

それはそうで、生産人口が減り税収も減る一方で
養わなきゃならん非生産人口の比率は大きくなる一方ということで、
医療、福祉といった方面にかかる金額は今後も減る見込みはない。

このまま何も対策しないと、ゆるやかに破産に向かうしかないと。

年金の受取り年齢引き上げや、後期高齢者切り捨てといったあたりも
出費を減らす苦肉の策だけど、それでも間に合ってない。

埋蔵金なんてものはなかったとなれば、あとは増税しかないと。

どの税金を上げるでも良いけど、まぁ一番インパクトの小さいのが
間接税である消費税だろうという判断なんでしょうか。

これ、調節が効きそうで、実はそうでもなかったりするんですけどね。
衣食住といった生活で消費するものはほぼ固定費ですから。
それで消費者が安いものを求めだすと、またデフレ懸念も無きにしも。

それでも、政府としては財政健全化という建前は見せておかないと
放置しちゃうと、借金返す気なんざさらさらないよ?ってことになるので
実際の財政よりも実はここは国の信用の話になってるわけね。


次、原発。原子力発電所ね。

今、国内の原発は、昨年再稼働した大飯を除いてほぼ停止状態。
自民はさらに、安全の確認が取れたところから再稼働していく方針。

これも次世代エネルギーが実用化の目処をつけるまでらしいけど、
その次世代エネルギーとやらの開発の進捗もあまり芳しくない感じ。
今のところ民間ベースだしね。採算に乗らないとどうしても進まない。

今、原発止まってるのに電気は止まってないのだから足りてるじゃん?
という人がわりといるんだけど、そういう人たちは
今の電気がどうやってつくられてるか知っててそういってるのかどうか。

まず、最近、やけに電気代が値上がったのはなぜか?
それは電気をつくるための燃料費が値上がったから。もうそのまんま。
その燃料というのは、石油であり天然ガスといった化石燃料です。

あと、一部水力でも賄ってるようだけど
都市部の電力はほぼ火力で賄われてる状態といって良いでしょうね。

その火力発電所の施設も、休眠状態にあった古いものを
原発停止に対応するために再稼働させているという状況もあるようです。

ちなみに、火力発電所のメンテは大変で
事故が起こらなければほぼメンテフリーの原発に比較すると
かなりじゃじゃ馬でトラブル回数は計り知れないという話。

まぁ原発は1回でも事故ると重大インシデントなわけですけどね。
扱うリスクが大きいだけにメリットも大きいってこと。

原発を再稼働する主な理由としては、その発電の燃料効率良いので
電気料金も引き下げられ、経済に対する負担が小さいということか。

あと、私はもうひとつの理由の方が重要だと思っていて、
化石燃料にほぼ100%依存するのは、燃料の輸入国である日本としては
危機管理的に見ても危ういだろうということ。

つまり、石油、ガス、これらが止まったらどうするかって話。

最近はIGCCという石炭を使った発電もあるけど、
要は、火力や原子力程度の実用レベルの電源を分散させるべきってこと。
その気になれば産油国を引き込んで日本をいつでも機能停止させられる
という脆弱性が露呈し続けることになると、これは美味しくない。

当然、原発は特有の危険性がある。炉が壊れたら放射線が出ますからね。
使用済み燃料をどう処理するかという問題も解決されていない。
率直にいって、今を切り抜けられればOKという打算的な面は大きい。

それを百も承知で原発を当面使おうという政策なわけね。

実際、今の日本にはエネルギーに関して選択肢が少ないんですよね。
いつだったかメタンハイドレートが実用化できるかも?という話があったけど
あれも実用化に乗るのは、早くて2018年頃とのこと。
コストも割高みたいなので、しばらくは他のエネルギーと併用になるでしょう。


次、憲法。

自民は第9条を変えようといっている。その前に、96条を変えておこうとも。
9条は戦争を放棄、戦力を持たないという、わいゆる平和条項。
96条は、憲法自体を変える手続きについて定めた条項。

国会の3分の2以上の賛成で国民投票に出せて、
国民投票で過半数の賛成が得られたところで憲法改正が可能になる
という決まりを定めてるのが96条ね。

これを国会で過半数の賛成が得られれば国民投票出せるようにしよう
っていってるのが自民党案。

私は、規則を変えるための規則を変えちゃうのはどうかと思ったんだけど、
まぁそうでもしないと、これだけ与党に勢いがあっても
議席数の3分の2までは至ることができなかったんだから
今のままだと、この憲法はほぼ永遠に変えられんのでしょうね。

で、9条を変える意味というのは、
護憲派に言わせれば、日本が戦争を始めるためとかいう話になってるけど
今の日本が他の国にケンカを売るメリットはほぼゼロでしょう。

というか、今さら日本が戦争に積極的になるとか本気で思ってるのか。
単に、与党に対する野党の存在感を出すための対立軸づくりというか
やっかみ半分というか、でなければ特アの回し者なんじゃないかと。

今の第9条では、ぶっちゃけ自衛隊も憲法違反です。
その条文に「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とあるんだけど
自衛隊はどうみても戦力ですし。

国外に出て活動しないことで自衛であるという主張も苦しいもので、
そのためにたとえ平和的活動でも自衛隊による国際協力が制限される。

それより何より、日本周辺における国防活動すらままならない。
明らかに国境を侵してきた船舶や航空機も、
拡声器や無線で「出てってください」と促すことしかできないっていう。
できて威嚇射撃までだもんね。実際に撃沈や撃墜はできない。

とりあえず、普通に動けるようにしましょうよってこと。

いや、だからって侵入してきた船を即撃沈しろって話じゃなく、
それが可能なんだと相手に認識させられるということが大きいってこと。
今は、自衛隊が攻撃してこないことを相手も知ってますからね。

とはいえ、海外に自衛隊を制限なく派遣できるようになれば
多国籍軍としての活動にも発展するでしょうから、
そこで軍事活動に関わる可能性もゼロではないわけですがね。

少なくとも、憲法を変えたからといって
日本がどこか他の国に打って出る可能性なんてほぼないでしょう。
まずその動機がないですから。


他にも、復興とか、金融、財政政策とか、選挙争点はいっぱいあったけど
とりあえず今思い当たったあたりは大体こんなものか。


思ったのは、自民党って、基本正直ベースで政策を打ってますね。
これを実行するんだといわれても、ああ、やっちゃうんだなーという感じ。

それを思うと、民主党は大嘘ベースで政策を出してたなぁ、と改めて。
本当にそんなことできるの?てことがやっぱりできなかった…どころか
真反対のことやらかしてるとか、幹部は投獄されても良いレベル。

そりゃ、また大嘘でしょうよと思われてもしょうがないし、
今回の惨敗も推して知るべしってところだったんじゃないかと。

自民の政策が嫌でも、公明は自民の腰巾着だし(ていうか創価だし)
民主は大嘘つきで今は前いってたことと違うし、維新は自民と同じだし、
みんなは何いってるかよくわからんし、他にも党あったっけ?という感じ。

正直入れるところがないってのが今回の選挙だったんじゃないか。
きっとそれも低い投票率に繋がったんだろうとは思いますね。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« May 2013 | Main | January 2014 »