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December 16, 2007

架空の敵

出かけようとしたら、駅がすごいことになっていた。
新横浜でサッカーあったんすね。

最近帰りも遅くなって見えなくなってしまったんだけど、
以前、爆笑学問という番組の中での太田さんの言葉が、
このところ頭の中をぐるぐる回ってます。

といっても正確ではないんだけど、
第二次大戦中、日本とアメリカが対峙していたとき、
日本はアメリカを鬼畜だといい、
アメリカは日本を悪魔だと呼んでいたことについて、
それは彼らがお互いの国(の人)について
勝手に想像したイメージなんじゃないか、ということ。
(何かそんなニュアンス。)

どういうことかというと、その当時、
アメリカ人は日本人のことをよく知っていたわけじゃないし、
生身の日本人と会ったことすらなかったわけです。
同様に、日本人もアメリカ人を知っていたわけではないし、
会ったこともない。

このとき、アメリカ人は日本人を憎んでいたわけじゃなく、
アメリカ人の頭の中でイメージされた架空の日本人像に対して
憎しみを抱き、それに敵対していたのではないか。
日本人も同じく、架空のアメリカ人に敵対していたのではないか。

これは、実は戦時中だけではなく、
現代社会の人間心理の中にもあるんじゃないかと思うわけです。

例えば、つまらないことで人とケンカをして別れたとする。
別れた後、防衛本能から自己弁護の心理が立ち上がり、
その相手が自分のことをあれこれ悪く思っているだろうけど、
自分の方に正当性があるので相手のその主張は誤りだ、
などと思ったりする。

でも、そのとき、
相手が自分のことを責めているとは限らないんですよね。
むしろ反省しているかもしれないし、
そんなことはすっかり忘れているかもしれない。
事実がどうあれ、とにかく自分という心の中には、
自分を悪く思っているだろう相手の偶像がいるわけです。

これは実際に会ったことのある相手でさえそうなるんだから、
会ったこともない相手だと、
なおその偶像の真実性は薄くなっていくはずです。

にもかかわらず、会ったことのない、
よく知らない相手であればあるほど、
その偶像はより悪質化、悪役化して、
それに対する憎しみや怒りの度合いが大きくなるような気がする。

ただ、こういう心理が現れるのは、大抵の場合、
その相手が自分に対して
何らかの被害や悪影響を及ぼしていることが条件ですけどね。
(無害な相手を憎むほど荒んでいなければ。)

これは人に対してでなく、
国や企業といった集団に対しても同じですね。

特に自分の日常の生活がままならなくなってくると、
それを誰かのせいにしなくては気がすまなくなる。
その相手は大抵政治や役所です。
あるいは、インフラに不満が出てくると、
そのインフラを管理している企業や団体に白羽に矢が立つ。

実際その責任があるんだから、
それを管理している集団が攻めを負うのは当然ではありますが、
それにしても最近、
みんな人のせいにしすぎだろう、と思うことが多々あります。

本当にそれは、自分(アナタ)自身に責任は全くないんですか。

何となく、その架空の敵といえる偶像が大きくなり過ぎて、
その敵を倒さないと気がすまない状態に陥っているんじゃないか、
何かといえば敵をつくらなければ気がすまなくなっているんじゃないか、
そんな人が最近多くなってきているような気がする。

本来は、誰それが悪いんだ、そいつが何とかすべきだ、
と不平をいう前に、何か自分にとって不都合なことがあるのであれば、
それについて自分自身に何かできないか、と考える方が先決です。

その努力をした上で、自分の力では何ともならないなぁ
となったところで、人の手を借りることを考えるべきでしょ。
そしてそのとき、それをしてもらうのは当たり前だ、という精神ではなく、
良かったらやってもらえないだろうか、の精神であるべきでしょ。

国に対しては税金を払っているんだから、
それ相応の恩は返してもらわないといかんと思うのは正論ではあるけど、
国民がみんなそんなことをいいだしたら、国は一気に潰れるでしょう。
不満を表に出さず黙々と納税している良心的な国民もいるから、
なんとか国は立っていられるんだというのも事実なわけで。

あー何がいいたいかというとね。
最近みんなケンカっ早過ぎ。ということですよ。

デフォルトで他人は敵になってませんか。
助け合うべき相手、ではなく、対抗すべき相手、になってませんか。

…などといっている私の心の中にも、
そういう偶像(ルサンチマンを持つ人々)が踊っているわけですがね。

敵は少ないほうが人生は楽しいのに、
何でみんなそうやっていっぱい敵を増やしたがるんだろうかと、
そんなことを思う年の暮れなのであります。


ま、それでも平和なら、それで良いですが。

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Comments

今までは、悪いことをした人の責任を一生懸命追及していましたが、今は、何もしなかったことの責任まで問われる時代になった・・・。

そんなところでしょうか。
私は、仕事でクレーム対応の責任者をやったりしてますが、とある事件をきっかけに日本では確実に意識に変化がおきましたね。

今後、もっとひどくなりますよ。(予測)

Posted by: RORO | December 17, 2007 at 02:06 PM

何か不満があると、自分の否よりもまず他人のせいにしたがる、というのが根本だろうとは思いますけどね。そういう気持ちは誰でも(自分がかわいいので)程度の違いはあれないことはないんですが、それを表に出すか出さないかというところで、最近はかなり開けっぴろげになってきてると思うんですよね。

その良い悪いはわからないけど、度を越して節操なくなってくるとまずいんだろうなぁと。

Posted by: 月影 | December 19, 2007 at 12:11 AM

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