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June 30, 2005

鳥取弁

毎回愚痴っぽい日記ばかりでもアレなので、
今回はちっと私の母国語の話でもしてみようと思うのである…。

母国…ではない。母郷?

先日実家から、
しばらく音沙汰ないのう?という電話がかかってきて、
母の話すその言葉が、
ああやっぱり方言ってあるんだなぁと思い知らされ
(まぁこれは毎回。上京してきている人は皆思うのではないか)
地元に住んでいた頃はそれが普通だと思って使っていた
その言葉にもやはり特徴があったのだと気づかされる。

鳥取、というのは、地方の中でもあまりにマイナー過ぎて、
全国区であまり取り上げられることはない。

鳥取といえば砂丘

下手すると砂漠

ともすれば、県全体が砂漠だと思われている。

あと思い出してもらえることと言えば、
「そういえば、21世紀梨があったねー」とか。

 違う!

20世紀梨である!

今は21世紀であるが、
これは激しい(?)論議の末、結局名称は変更しないことになり、
20世紀梨のまま据え置きになっているのである。

そんな話はどうでも良い。

本題。

そう、「鳥取弁」である。

鳥取弁の特徴は…… あまりない。

他県の人が聞いても、
街の人が使う言葉は、結構標準語に近いといわれる。

余談だが、
鳥取の人は、鳥取市の市街地のことを「街」と呼ぶ。
特に鳥取市以外の近隣町村の住人はそう呼ぶ傾向が強い。
これは如何に鳥取が「街」でないかということの象徴であろう。

鳥取弁の特徴は、
その「街」から外れた場所に住んでいる人ほど、強く出てくる。
言葉遣いもイントネーションも特徴的である。

私は言語学とかそのあたりの話は全く分からないのだが、
鳥取弁というのは、中国地方で使われている方言で、
いわゆる「中国方言」の一種、という括りのようである。

中国語、ではないので、予め。

私の経験上、鳥取県東部と、兵庫県北部、
あと岡山県北部あたりが、
およそ同じような感じの言葉を喋っている気がする。

では、私が厳選する特徴的な鳥取弁の一部を紹介しよう。

まず、他県の人が聞いて戸惑う言葉に、

 えらい

というやつがある。
別に褒めているわけでもなく、威張っているわけでもない。
えらい、のである。

たとえば、風邪を引いて苦しんでいるときなど、

 えらいか?

などと尋ねられる。別に偉くはない
つまり、「えらい」というのは、
「辛い」「苦しい」などを表現する言葉である。
関西人のいうところの「しんどい」と同義である。

しかし、私を含め鳥取人は、
「えらい」と「辛い」は区別して使うような気がしている。
「辛い」は「辛い」で、
「えらい」といえば、やはり「えらい」のだ、と。

次に、今度はセンテンスでみてみる。

 あのあばさん、いじょーそそねしとるけーな。

何となく分かりそうで分からない…かも。

「あの」は良いだろう。標準語でも「あの」である。

「あばさん」。あばさんとは何か。尼さん?
違う。オバさん、婆さんという意味である。

「いじょー」とは?異常?以上?
いずれでもない。
これは「しょっちゅう」とか「頻繁に」という意味。

「そそね」は、まぁ分かる人でないと分からない。
これは今は鳥取でも使う人はあまりいないかもしれないが、
「うとうとする」、つまり「うたた寝」という意味である。

「しとる」は「している」「やっている」。
まぁ鳥取でなくとも
「~しとる」「~やっとる」と言う人もいるからわかるのでは。

「けー」。
これは鳥取弁に特徴的な語尾のひとつだが、
「~だから」の意味で「け」をよくつける。

つまり、上記文を標準語に直すと、

 あの婆さん、しょっちゅううたた寝しているからね。

となる。

他に、感嘆を表す表現で

 ごっつい、ぼっこ、わったい

などがある。

「ごっつい」は、
関西弁でも同じ意味合いで「ごっつい」という言葉がある。
「すごい」とか「とても」とか、
場合によっては「厳つい」という意味でも使われる。

「ぼっこ」。
使われ方としては、

 そがにぼっこしたらいけんっちゃ。

文にしてしまうと、また新たな言葉が出てきてしまうわけだが、
「そがに」は「そんなに」。
田舎の方にいくと「そぎゃん」とかいう爺さん婆さんもいる。

で、「ぼっこ」は「強く」とか「乱暴に」とか言う意味。

「いけん」は「いけない」、「ダメだ」ということ。
「いかん」というのと同じである。

そして語尾の「ちゃ」。
これも鳥取弁に特徴的な語尾のひとつで、
様々なケースの文末にこの「ちゃ」が付加される。
特に意味があるものではない

上記文を翻訳すると、

 そんなに乱暴にしちゃダメだよ。

となる。

私は、子供の頃、海苔の缶のフタが開かずに、
癇癪を起こしてガンガンとテーブルに叩きつけていたところ、
親にそういって窘められた記憶がある。

「わったい」というのは、
それにピタリ相当する標準語があるかどうか疑問だが、
あえていうなら「ひぇー」とか「すげぇー」などか。
とにかく、そういう驚きを表現する言葉である。

ちなみに、この「わったい」をさらに強調していうと、

わったいすか

になる。

何で「すか」なのかはよく分からない。
標準語にするなら「どしぇー」とか「うひょー」などか(?)


あと、語尾としてもうひとつ紹介しておきたいのは、

 「

「~げ」という言葉も鳥取人はよく使う。
「~そう」「~っぽい」という意味で、
標準語でも「楽しげ」とかいうと思うが、
鳥取の場合はもっと活用範囲が広く、
何にでも「げ」をつける

 面白そう→面白げ
 怖そう→怖げ
 うまそう→うまげ
 アホっぽい→アホげ

ここで紹介した以外にも、特徴的な鳥取言葉は多くある。
そんなマイナーな方言を体験してみたいという方は、
是非一度、
日本一人口が少ない県「鳥取県」を訪れてみていただきたい。
そして、駅前でタクシーでも拾って、
「鳥取砂丘へ行きたいのですが」とでも言えば、
その運転手は気さくに鳥取弁で話してくるだろう。

ただし、断っておく。

鳥取に来ても…何もない

(誰にも邪魔されず心の洗濯でもしたい方にお勧めの観光地かと)

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